食道癌の治療成績は,この20~30年間で著しく改善してきている。また,治療技術,周辺機器の進歩にも目覚ましいものがある。high volume centerを中心とする医療機関における死亡率,5年生存率などの手術成績も高い水準にある。
一方で,術後長期生存患者の逆流性食道炎,誤嚥性肺炎など,QOLを損なう課題も依然として残っている。本特集では,食道癌における内視鏡治療,化学放射線療法,手術療法などによる機能温存の観点で第一線の内科医,外科医に解説頂いた。日常診療にお役立て頂ければ幸いである。
1 食道癌の早期診断と治療方針
川崎医科大学総合外科学准教授/同大学附属川崎病院外科副部長 山辻知樹
川崎医科大学総合外科学教授/同大学附属川崎病院外科部長 猶本良夫
2 食道癌に対する内視鏡治療の現況とトピックス>
京都大学大学院医学研究科腫瘍薬物治療学教授 武藤 学
3 食道癌に対する化学放射線療法と機能温存
国立がん研究センター中央病院内科 後藤慶子
国立がん研究センター中央病院消化管内科医長 加藤 健
4 食道癌に対する手術療法と機能温存
川崎医科大学総合外科学教授/同大学附属川崎病院外科部長 猶本良夫