日本老年医学会では,65~74歳を准高齢者,75~89歳を高齢者,90歳~を超高齢者のように区分することを提言している。わが国の65歳以上の人口は,2017年7月において3502万人で,総人口の27.6%に相当し,21%を超えた社会を「超高齢社会」と呼んでいることから,わが国はそれに当てはまる。
消化管においても,逆流性食道炎,胃癌,大腸癌,消化管出血など,年齢が上がるにしたがって,増加する疾患が多い。消化管内視鏡検査のニーズが高いが,非高齢者に比べて,基礎疾患を複数患っており,抗血栓薬などの薬を内服している場合が多く,身体的予備能が低下していることもあり,十分な注意が必要である。
本特集では,実際に施行する医師はもちろんのこと,紹介医の方々にもその注意点を知って頂き,共有していきたいと思う。
1 高齢者に対する消化管内視鏡検査の注意点
河合 隆(東京医科大学消化器内視鏡学教授)
2 高齢者に対する下部消化管内視鏡検査の実際
林 亮平(広島大学病院内視鏡診療科)
田中信治(広島大学病院内視鏡診療科教授)
3 高齢者に対する上部消化管内視鏡検査の実際
原田 智(大阪医科大学第二内科)
竹内利寿(大阪医科大学附属病院内視鏡センター長)
樋口和秀(大阪医科大学第二内科教授)