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非小細胞肺癌における血中循環腫瘍細胞(CTC)が肺癌の診断・治療に与える影響【末梢血中のCTCは遠隔転移の存在を示唆し,手術操作の前後で明らかに増加】

No.4899 (2018年03月17日発行) P.50

橋本昌樹 (兵庫医科大学呼吸器外科)

登録日: 2018-03-17

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がんの死因の約90%は,原発巣から他臓器への転移に起因するとされるが,他臓器への転移の前段階と考えられているのが血中循環腫瘍細胞(CTC)である。CTCは以前より研究されていたが,近年になり,がんの病態予測における有用性が明らかになってきた。

CTCの検出方法は複数報告されているが,磁気ビーズと免疫染色を用いて腫瘍細胞を血中より採取する方法(CellSearch®)が先駆的である。

非小細胞肺癌において,遠隔転移を伴わない症例(stage Ⅰ~Ⅲ)においては,伴う症例(stage Ⅳ)に比べて末梢血中のCTCが有意に少なく,そのカットオフ値は1個(末梢血7.5mL中)と報告されている1)。つまり,末梢血中にCTCを認めた場合,遠隔転移の存在が示唆される。CTCにより,従来画像検査で判明するよりも早い段階で遠隔転移を指摘できる可能性がある。

またCTCは,手術後の遠隔転移再発にも関与している可能性がある。肺癌の腫瘍細胞は肺静脈より大循環へ流入するが,肺葉切除後の摘出肺内の肺静脈血中には末梢血に比べて非常に多くのCTCが検出され,さらにそれは手術操作の前後で明らかに増加している2)。手術操作が予後へ影響する可能性が臨床試験で明らかになれば,肺癌に対する手術方法の再検討が必要となるであろう。

【文献】

1) Tanaka F, et al:Clin Cancer Res. 2009;15(22): 6980-6.

2) Hashimoto M, et al:Interact Cardiovasc Thorac Surg. 2014;18(6):775-83.

【解説】

橋本昌樹 兵庫医科大学呼吸器外科

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