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高齢者の健康にとって望ましい働き方とその指導法【高齢者自身の労働意欲や仕事と健康の関係についての解釈モデルを把握し,生きがい等も考慮した職場探しを指導】

No.4909 (2018年05月26日発行) P.55

藤原佳典 (東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チーム研究部長 (チームリーダー))

渡辺修一郎 (桜美林大学大学院老年学研究科教授)

登録日: 2018-05-25

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  • 高齢者の健康にとって望ましい働き方とその指導法について,桜美林大学・渡辺修一郎先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    藤原佳典 東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チーム研究部長 (チームリーダー)


    【回答】

    高齢者の就業は,総死亡のリスクを低減し,生活機能の低下を防ぐなど,健康面に好影響をもたらすことが知られています。高齢者の就業が健康の維持増進に寄与する要因としては,①廃用性機能低下の予防,②人的支援によるストレス緩衝・見守り,③生活リズムの維持,④自尊心の維持,⑤健康管理の徹底,⑥食生活の多様化,⑦収入の維持による生活水準の維持,などが考えられます。

    2005年からの10年間で60歳以上の就業者の増加が著しい産業は,男性では,建設業(+28万人),医療・福祉業(+18万人),卸売・小売業(+16万人)で,女性では,医療・福祉業(+50万人),卸売・小売業(+23万人),宿泊・飲食サービス業(+21万人)などです。特に若年層が減っている分野,技能を活かせる分野,柔軟な労働時間設定が可能な分野などへの就業が拡大しているようです。豊富な人脈,熟達した技能や知識,人的パワーを持つ高齢者は,就業だけでなく,趣味やボランティアなど多方面で活躍しており,複雑化する地域課題の解決の担い手としても期待されています。

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