(鹿児島県 Y)
臨床検査技師の法的な業務内容は,「臨床検査技師等に関する法律」の第2条(定義)に規定されています。ご質問の磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging:MRI)は,生理学的検査の定義に分類されます。この生理学的検査は時代とともに新規検査項目の追加や検査方法の条件変更も予想されることから,適時対応可能な厚生労働省令で定められています。
この省令の第1条に臨床検査技師が業として行える生理学的検査の検査項目名と具体的条件が記載されています。項目数は心電図,筋電図,超音波検査等を含め全部で18項目あり,その1つにMRI検査があります。このMRI検査はいずれも医師・歯科医師の具体的指示のもと「診療の補助」として行うことができるもので,診療放射線技師も同様に法的に認められています。
このように臨床検査技師と診療放射線技師のどちらも行える業務には超音波検査,眼底写真検査(散瞳薬を投与して行うものを除く)があります。主に眼底写真検査は散瞳薬も使用可の視能訓練士が行う施設が多いのは当然ですが,業務分担により撮影を担当する技師は臨床検査技師でも診療放射線技師でも可能ということになります。しかしながらMRIと同様,画像診断検査であるCTは,X線を利用するため,医師以外では診療放射線技師の業務となります。
近年,CTやMRI機器の進化は目覚ましく,CTでは64列以上のマルチスライス撮影,MRIでは3テスラ以上の撮影に関しては施設基準が設けられており,診療報酬点数が段階的に設定されています。この施設基準に適合した診療報酬を得るためには,当該画像診断の従事者に関わる事項があり,専門的な常勤医と診療放射線技師の届出が必要となります。詳細については「医科診療報酬点数表」(社会保険研究所)等をご参照下さい。
【回答者】
米坂知昭 桐蔭横浜大学医用工学部教授