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線維化病変をきたす膠原病合併間質性肺疾患(CTD-ILD)に対する抗線維化薬の使用【慢性進行型CTD-ILDに対しては,その進行と急性増悪を抑制する可能性が高い】

No.4912 (2018年06月16日発行) P.58

田中良哉 (産業医科大学医学部第1内科学講座教授)

倉沢和宏 (獨協医科大学リウマチ・膠原病内科教)

登録日: 2018-06-17

最終更新日: 2018-06-12

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  • 膠原病諸疾患ではしばしば間質性肺炎,肺線維症を伴い,治療に難渋することがあります。特発性肺線維症に対する治療薬として,ピルフェニドン(ピレスパ®)とニンテダニブ(オフェブ®)が承認されていますが,どのような患者に,どのようなタイミングで,どのように使用すべきでしょうか。
    従来のステロイドや免疫抑制薬との併用,使いわけ,膠原病諸疾患への応用の可能性なども含めて,獨協医科大学・倉沢和宏先生のご教示をお願いします。

    【質問者】

    田中良哉 産業医科大学医学部第1内科学講座教授


    【回答】

    質問は「線維化病変をきたす膠原病合併間質性肺疾患(connective tissue disease-interstitial lung disease:CTD-ILD)に対する抗線維化薬の使用について」と考えお答えします。

    抗線維化薬は,特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)に対し,ピルフェニドンとニンテダニブが認可され使用されています。IPFは呼吸機能が進行性に低下する慢性間質性肺炎ですが,感染等を契機に急性増悪をきたす予後不良の疾患です。画像的には蜂窩肺が特徴的で病理像は通常型間質性肺炎(usual interstitial pneumonia:UIP)です。

    発症機序は炎症が肺損傷を惹起し,その損傷治癒反応として線維化が起こると想定され,抗炎症療法が行われました。しかし,ステロイド・免疫抑制療法は予後を悪化させることが明らかにされ,近年IPFは損傷修復過程の異常が主病態であることが示され,抗線維化薬が開発されました。同剤はIPFの肺機能の低下および急性増悪の発症を抑制します。また,IPF以外の線維化性肺病変に対する有用性の報告があり,現在臨床試験が行われています。

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