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糖尿病の食事療法におけるカーボカウントの活用法【食品交換表に基づいた簡易式カーボカウントの活用で血糖管理改善に期待】

No.4918 (2018年07月28日発行) P.54

原島伸一 (京都大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌・栄養内科学講師)

稲垣暢也 (京都大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌・栄養内科学教授)

登録日: 2018-07-25

最終更新日: 2018-07-24

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日本糖尿病学会は,患者にわかりやすく指導できるようカーボカウントの解説書を発刊した1)2)。カーボカウントは基礎と応用からなり,「基礎カーボカウント」は食事の糖質量を一定にして血糖管理の安定化を図る方法であり,「応用カーボカウント」は食事から摂取される糖質量と食前に測定した血糖値から①「糖質用インスリン」と②「補正用インスリン」を計算して追加インスリン量を決定し,食後血糖を安定化させる方法である。

「食品交換表」に基づいた1日15~23単位の食事では,炭水化物の割合が50%,55%,60%のいずれの指示単位配分例を用いても副食分の糖質量は約60gとなり,3食へ均等に配分すると1食当たり約20gとなる。たとえば,1日の指示単位数が20単位,炭水化物55%の場合,「基礎カーボカウント」では,1食の主食の糖質量54g+副食20gの合計で約74gと算出される。さらに「応用カーボカウント」では,①糖質/インスリン比が10の場合には74÷10≒7単位を「糖質用インスリン」,②食前の血糖値が200mg/dLで次の食前の血糖目標値が100mg/dL,インスリン効果値が50の場合には(200-100)÷50=2単位を「補正用インスリン」とし,追加インスリン量は①+②=9単位と,簡便に決定できる。

【文献】

1) 日本糖尿病学会, 編:カーボカウントの手びき「糖尿病食事療法のための食品交換表」準拠. 文光堂, 2017.

2) 日本糖尿病学会, 編:医療者のためのカーボカウント指導テキスト 「糖尿病食事療法のための食品交換表」準拠. 文光堂, 2017.

【解説】

原島伸一*1,稲垣暢也*2  京都大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌・栄養内科学 *1講師 *2教授

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