日本肺癌学会はこのほど、2017年12月より学会ホームページ(https://www.haigan.gr.jp/modules/guideline/index.php?content_id=3)に掲出している『EBMの手法による肺癌診療ガイドライン2017年版―悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む』に、新たなクリニカルクエスチョン(CQ)を追加した「version1.1」を公表した。
Version1.1では、第1部「肺癌診療ガイドライン」中のⅢ期非小細胞肺癌の項に、CQ13-2として「同時化学放射線療法後に免疫チェックポイント阻害剤による地固め療法を行うよう勧められるか?」との問いを立て、病勢がコントロールされているⅢ期非小細胞肺癌に対してはデュルバルマブ(販売名:イミフィンジ)による地固め療法を行うよう提案している。GRADEシステムに基づく推奨度は2B(中等度のエビデンスがある〈B〉、…を行うよう提案する〈2〉)としている。
なお、従来版から掲載されていたCQ13-1「同時化学放射線療法後に地固め化学療法を行うよう勧められるか?」については、「同時化学放射線療法後に薬剤を変更しての地固め化学療法は行わないよう提案する」(推奨度2B)としている。
同ガイドラインは、肺癌診療のエビデンスの蓄積に迅速に対応するため、2011年以降は毎年、学会ホームページ上に新版が公開されている。