株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌における再生検

No.4940 (2018年12月29日発行) P.50

中山雅之 (自治医科大学呼吸器内科講師)

萩原弘一 (自治医科大学呼吸器内科教授)

登録日: 2018-12-26

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【オシメルチニブ使用に際して病変組織の採取およびT790M変異陽性の確認が必要】

第1・2世代EGFR─チロシンキナーゼ阻害薬(T KI)による治療後にT790M変異により耐性をきたした手術不能または再発非小細胞肺癌症例において,第3世代EGFR-TKIのオシメルチニブによる治療を行うことが推奨されている1)

同薬を選択するには,第1・2世代EGFR─TKI治療開始後に固形がんの治療効果判定のための新ガイドライン(RECISTガイドライン)による効果判定で進行を認めた時点で,アプローチ可能な病変から再生検で組織を採取して,T790M変異陽性を確認する必要がある。再生検の際は,肺病変に対しては気管支鏡検査もしくはCTガイド下生検を実施することが多いが,必要に応じて遠隔転移巣の生検や外科的肺生検を行うこともある。気管支鏡や他のmodalityを用いた再生検の成功率は約80%,再生検によるT790M変異の検出率は約50%と報告されている2)3)

増大した肺原発腫瘍の辺縁は線維化していて,鉗子で複数回生検しても悪性所見を得られないことがある。中枢病変に対しては超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA),末梢病変に対しては経気管支穿刺吸引細胞診(TBAC)を行うことも選択肢のひとつである。

【文献】

1) 日本肺癌学会, 編:肺癌診療ガイドライン2017年版. 金原出版, 2017, p17.

2) Arcila ME, et al:Clin Cancer Res. 2011;17(5):1169-80.

3) Kirita K, et al:lung. 2016;194(3):371-8.

【解説】

中山雅之*1,萩原弘一*2  自治医科大学呼吸器内科 *1講師 *2教授

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

公立小浜温泉病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
勤務地: 長崎県雲仙市

公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top