国内で感染症科を設置する病院がまだ少ない中、2014年、成人の感染症の専門診療を開始した筑波大水戸協同病院。診療科を率いる矢野さんが思い描くのは、国際化が進行した今世紀にふさわしい、感染症の包括的専門診療部門としての「グローバルヘルスセンター」構想だ。
「エボラ出血熱やMERS、ジカ熱など国境を越えて日本に侵入する可能性のある感染症は後を絶ちません。国内でも、風疹などワクチンで予防可能な疾患や結核の征圧が課題。地域住民への啓発・広報活動も充実して、世界標準の医療を提供していきたい」
入院患者へのアプローチは臓器横断的だ。特定抗菌薬を処方した患者が電子カルテでリストアップされると直ちに診察。外科や整形など各診療科の主治医チームと共に、主体的に関わるシステムを作り上げている。
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