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(1)ステロイドの作用機序と特性からみた副作用[特集:ステロイドの副作用を正しく知って正しく使う]

No.4949 (2019年03月02日発行) P.28

川合眞一 (東邦大学名誉教授/同医学部炎症・疼痛制御学講座教授)

登録日: 2019-03-04

最終更新日: 2019-02-27

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ステロイドの作用機序は,非ゲノム作用とゲノム作用があるが,主な機序は特異的受容体を介したゲノム作用で説明されている

ゲノム作用にも3ルートがあり,それぞれが無数の標的遺伝子の転写を促進または抑制することから,ステロイドの多様な副作用が生じる原因となっている

主な合成ステロイドは1群の内因性ステロイドのほか,2群は1群に近いが臨床に使いやすいもの,3群は電解質作用を減らして超大量投与を可能にしたもの,4群は力価が高く長時間効果が持続するもの,などの特性がある

臨床では,作用機序および特性に基づいた副作用への注意が必要である

1. ステロイドとは

グルココルチコイド(以下,ステロイド)は近代医学に最も貢献した薬物のひとつである。しかし,臨床で求められる十分な抗炎症効果と免疫抑制効果を得るためには,一般に生理分泌量よりも高用量が必要であり,その際に生じる副作用はきわめて多様である。以下では,作用機序と各種合成ステロイドの特性という視点から,ステロイドの副作用をまとめてみた。

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