子宮より発生する間葉系悪性腫瘍の総称である。総じて発生頻度の低い希少疾患であり,治療に関するエビデンスは少ない。子宮肉腫のうち63%が平滑筋肉腫(leiomyosarcoma:LMS),21%が子宮内膜間質肉腫(uterine endometrial stromal sarcoma:ESS),その他,腺肉腫6%,未分化子宮肉腫5%との報告がある1)。子宮内膜間質肉腫はlow grade(L-ESS),high grade(H-ESS),未分化子宮肉腫(undifferentiated uterine sarcoma:UUS)に分類される。それぞれの臨床経過に特徴があり,治療方針も異なる。L-ESSを除き,診断時初期の病変であっても高率に再発をきたし,予後不良である。
不正出血や増大する下腹部腫瘤を主訴として腹部超音波検査やMRIなどの画像検査で診断されるが,子宮筋腫との鑑別が困難な症例が多く,半数近くは術後の病理検査で診断される。
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