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特集:最新の肺癌確定診断の進め方

No.4965 (2019年06月22日発行) P.17

監修: 奥村 栄 (がん研究会有明病院中央手術部部長/前呼吸器センター長・前呼吸器外科部長)

登録日: 2019-06-24

最終更新日: 2019-06-19

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監修:奥村 栄(がん研究会有明病院中央手術部部長/前呼吸器センター長・前呼吸器外科部長)

■監修のことば

肺癌の死亡数は,1998年にがん死亡のトップになって以来,その数は増加している。特に男性においては喫煙の影響から1993年以来第1位を維持し続けている。胸部X線で指摘できる肺癌においては遠隔転移(脳・肺・肝臓・骨・副腎)やリンパ節転移の可能性があるため診断確定と病期診断評価のための諸検査が必要になる。他のがんと同様に肺癌も腫瘍の評価(T因子)・リンパ節転移の評価(N因子)・遠隔転移評価(M因子)の3因子の組み合わせで進行度が細かく分類されている。大きくはⅠ〜Ⅳ期の4段階に区分されており,進行度に従って標準的な治療が肺癌治療ガイドラインで推奨されている。これから,本特集で述べる検査が行われ進行度の病期が決定され,また,患者の全身状態の評価(特に肺機能や心機能の評価が問題)も治療を決定する上で重要な因子となる。この数年に肺癌患者の高齢化が進み、機能評価が治療を決定するうえでより重要な因子となってきている。これらの検査がすべて終了し,内科・外科・放射線科(診断・治療部門)や病理部などの肺癌の診断・治療に携わる医師が集まる症例検討会(Cancer Board:キャンサー・ボード)で治療方針を相談・決定する。また,リスクとして説明すべき点も同時に確認しておく。その検討結果を患者とご家族に,確定診断をふまえた進行度の評価に応じた標準治療の説明(1番手・2番手も)を行い,それに伴うリスクなども含めた十分なインフォームド・コンセントの下に治療を選択してもらうことが重要である。

■目次

1 初診から検査の進め方と病期の決定
松浦陽介(がん研究会有明病院呼吸器センター外科副医長)

2 確定診断のための検査
中尾将之(がん研究会有明病院呼吸器センター外科医長)

3 遠隔転移検索の検査
一瀬淳二(がん研究会有明病院呼吸器センター外科副医長)

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