ノバルティスファーマ社の降圧剤バルサルタン(商品名:ディオバン)を用いた臨床試験不正問題は社会に大きな衝撃を与えた。ノバ社の元社員が起訴されたことで、「ディオバン事件」となり公判が進む一方、臨床試験を法規制する「臨床研究法案」が国会に提出された。同様の事例が今後起きないためにどのような対策が求められるのだろうか。
第一部では、ディオバン事件発覚の発端となる論文を発表した由井芳樹氏に編集部がインタビューを行い、ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)を用いた臨床試験の問題点について聞いた。
第二部では、臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)の桑島巖理事長と由井氏がディオバン事件発覚からこれまでを振り返り、今後の教訓を議論する。