いずれも高齢者に多いが,人口10万人に1.5~2人程度と非常に稀な疾患である。2017年の日本産科婦人科学会腫瘍登録では外陰癌が213例,腟癌はさらに少なく139例しかない。組織型はいずれも8割が扁平上皮癌である。
上皮内腫瘍の段階では外陰部の瘙痒感を訴えることが多く,進行が遅いため長期間にわたり湿疹として経過観察されている場合もある。
病変が消退しない場合は積極的に生検を行うか,皮膚科専門医に相談することも考慮する。肉眼的に潰瘍,腫瘤を形成する場合は浸潤がんを疑い,生検を行う。皮膚からの擦過細胞診は診断精度に乏しい。所属リンパ節は鼠径リンパ節であり,リンパ節腫大の有無を必ず確認する。
早期は無症状であり,上皮内病変で発見されることは稀である。
腫瘤,潰瘍を形成した場合は不正性器出血をきたす。病変が外陰に達している場合は外陰癌とされる。
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