QT延長症候群(long QT syndrome:LQTS)は,心電図でQT時間の延長と多形性心室頻拍(torsades de pointes:TdP)を認め,失神や突然死の原因となる遺伝性不整脈である。運動中の失神発作などをきっかけに診断されることもあるが,医療機関を受診するきっかけとして圧倒的に多いのは,学童検診や健康診断の心電図検査でQT延長を指摘された場合である。
本特集では,QT延長例または疑い例の診断の流れ,国内・国外からのエビデンスに基づくリスク評価,およびβ遮断薬などの薬物治療,植込み型除細動器(implantable cardioverter defibrillator:ICD)などの非薬物治療の適応・方法・副作用などについて解説して頂く。
1 QT間隔の測定法とQT延長症候群の診断の流れ
林 研至(金沢大学大学院医薬保健学総合研究科医学専攻循環器内科学研究分野)
2 エビデンスに基づくQT延長症候群のリスク評価
中野由紀子(広島大学大学院医系科学研究科循環器内科学准教授)
3 QT延長症候群の薬物療法と非薬物療法
島本恵子(国立循環器病研究センター心臓血管内科・不整脈科)
相庭武司(国立循環器病研究センター心臓血管内科・不整脈科/臨床検査部部長)