12月4日から東京と埼玉で、「これからの生殖医療と家族のかたち」をメインテーマに開かれた第59回日本生殖医学会学術講演会・総会の会長を務めた。「生殖医療の技術の進歩にばかり目が行きがちですが、進歩はそれぞれの家族の幸せのためであるはず。原点に返り家族のかたちにスポットを当てました」
学術講演会では、「生殖医療関連法の行方」と題した特別シンポジウムも開催。代理母や第三者からの精子・卵子の提供に関しては、2003年に厚労省の審議会が法制化を求め、同学会倫理委員会でも09年、早期法制化を促す提言を出している。自民党生殖補助医療に関するプロジェクトチームが今秋国会への法案提出を目指していたが、法制化は先送りされた。「わが国で第三者配偶子による子どもが大勢誕生している事実があるにも関わらず、父子・母子の関係を規定した法律は存在せず、民法は生殖医療がなかった明治時代のままです。現に存在する子どもの権利を守るような法律を作ることを優先してほしい」と強調する。
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