特別養子縁組の橋渡しを行う全国20医療機関のネットワーク「あんしん母と子の産婦人科連絡協議会」を2013年に立ち上げた。協議会では、生まれてくる子の幸せを第一に、虐待防止の視点から養子縁組を行っている。1年間で17組の特別養子縁組を仲介した。
特別養子縁組は、実親が育てられない子を養親が引き取り、法的に実子として扱う制度だ。妊婦の中には、出産前から出産後の養育について支援が必要な妊婦(特定妊婦)が1割ほどいる。その理由は経済的事情や病気、若年、未婚、暴行による妊娠など様々だ。また、児童虐待死の約4割はゼロ歳児で、その3割は出産当日に死亡している実態がある。
「産婦人科医は、赤ちゃんに恵まれない夫婦と、望まない妊娠をして追い詰められた女性の狭間にいます。両者の間に立ち、生まれてくる命を守れるのは産婦人科医しかいません。これは使命だと考えています」
知人からの依頼を受け、初めて特別養子縁組に携わったのは26年前。それ以来、80組の橋渡しを行ってきた。赤ん坊を受け取りに東京から北海道まで向かったこともあるが、当初から謝礼など金銭的援助は受けていない。「傷ついている妊婦に寄りそうことで、少しでも人間的な温かみを感じてもらいたい」という思いがボランティア活動を支える。
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