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【一週一話】妊婦向けアプリ「妊婦手帳」の活用術: アプリの解説と医療者側のメリット

No.4713 (2014年08月23日発行) P.51

杉田匡聡 (NTT東日本関東病院産婦人科主任医長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-27

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  • 妊婦向けスマートフォン(スマホ)アプリ「妊婦手帳」が上市されてから半年以上が経過し,全都道府県でダウンロードされている。「いつでもどこでも知りたいことを調べたい」という妊婦の気持ちと,「基本的なことはなるべく自己学習してほしい」という産婦人科医の願いとを結びつけることができた,アプリならではと考えている。ネット社会ではいつでも情報を得ることができるが,問題なのは本当に正しい内容であるか,ということである。正しい情報を提供するために各産婦人科では妊娠・分娩に関する冊子を作成し,母親学級での指導などに用いて情報提供しているが,紙媒体を持ち歩くことは現実的ではない。そこで「いつでもどこでも正しい情報」を参照してもらうためには,冊子を持っていなくても調べられる環境の整備が必要であった。若年者である妊婦ならばデバイスにはスマホが相応しいと考え,(株)NTTドコモおよび(株)博報堂DYMPと相談・調査を行い,当院での実証実験を経て,妊婦のための無料アプリとして発表された1)

    アプリの基本的な機能は,トップページにその日の妊娠週数が表示され,毎日更新されるその時期の胎児の状態や,毎週追加されるQ&A集,1週間に2件に限定する代わりに必ず知っておいてほしい情報などが提供される。また毎日入力することが可能な体重・体調などのメモ機能や,病院からのお知らせなどを随時配信することが可能な機能も備わっている2)。色調や表現などを含めて様々な工夫がなされていて,「見たい」「知りたい」という気にさせてくれる。そして,知りたいときに情報を得ることができるツールであることを認識してもらえるようにもなっている。

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