【質問者】
重見大介 東京大学大学院博士課程 (医学部医学系研究科臨床疫学・経済学)
【周産期うつ病は増加しており,気軽につながれるサポートの周知,在宅勤務に合わせた就業サポートの構築が不可欠である】
日本人女性のうつ病の有病率は男性のおよそ2倍と言われており1),周産期うつ病の有病率は妊娠うつ病が6.5~12.9%,産後うつ病が10~20%とされています2)。新型コロナウイルス感染症の流行により,海外では周産期うつ病の有病率が27.4%3),33.7%4)と増加しているとの報告も出てきています。わが国でも遠隔医療相談での周産期うつ病のスクリーニング検査において,35%の女性が陽性という結果でした5)。
以上のように周産期うつ病が増加している要因として,新型コロナウイルス感染症が母体と赤ちゃんの生命を脅かすことや必要な出生前ケアが受けられないことへの懸念,人間関係の緊張,感染症流行による社会的孤立などが挙げられています6)。また,自分や胎児が新型コロナウイルス感染症に罹患することへの不安や,感染症のために病院を受診できずに妊婦健診が遅れることが周産期うつ病のリスクとなっています3)。
残り1,349文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する