株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

プライマリケア医による月経困難症患者へのアプローチ [特集:ライフスタイルに合わせた月経困難症・子宮内膜症の診療 1]

No.4820 (2016年09月10日発行) P.26

池田裕美枝 (神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科副医長)

登録日: 2016-09-16

最終更新日: 2016-10-19

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • next
  • 適切に治療されていない月経困難症患者を医療につなげば,女性のQOL向上のみならず不妊予防,社会の経済力向上にもつながる

    治療はNSAIDs,LEP/OC,漢方薬。NSAIDsは定時内服させる。LEP/OCに関しては偏りのない正しい情報提供を

    プライマリケア医が月経困難症ハンターになる!

    1. 月経を取り巻く社会状況

    女性の生き方はこの30年で大きく変化した。妊娠・出産回数が減り,生涯に経験する月経回数が多くなった。男性と同じフィールドで仕事をする女性が増えたため,妊娠,出産のみならず,月経に関しても仕事への影響を社会全体で考える必要が出てきた。
    一方,現代の女性たちにも,これまで男性のフィールドであった場に女性が参画させてもらっているという意識がまだ根強く,月経に関連する体調不良はもとより妊娠,出産に関しても,周囲に「迷惑をかけて申し訳ない」と感じる者が少なくない。月経は病気ではないので我慢しなければならないという社会通念が残存しており,月経時に激しい痛みがあったり頭痛や嘔吐があったりしても,できるだけ周囲に知られないように気をつけて,自分の中で対処しようとする女性は多いのではないだろうか。
    だが,女性と男性が共同参画している現代社会において,月経に関連する体調不良は社会的問題である。今,医療現場で最も患者に近い場にいるプライマリケア医が月経困難症を適切な医療につなげることが大きく期待されている。

    残り5,336文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    関連物件情報

    もっと見る

    page top