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亜急性甲状腺炎[私の治療]

No.5091 (2021年11月20日発行) P.42

安田重光 (埼玉医科大学内分泌・糖尿病内科講師)

登録日: 2021-11-21

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  • 甲状腺に炎症をきたし,発熱と甲状腺の部位に疼痛を伴う疾患である。さらに,炎症により破壊された組織から甲状腺ホルモンが漏出し,血中甲状腺ホルモンの過剰状態(甲状腺中毒症)による症状も呈する。女性に多く,30~50歳代に好発し,小児や高齢者の発症は稀である。咽頭・上気道感染の先行が多く,コクサッキーウイルスやアデノウイルス,ムンプスや麻疹などのウイルス感染の関与,HLA-Bw35が疾患感受性と関連するとの報告もある。

    ▶診断のポイント

    【症状】

    多くは上気道感染の前駆症状を認め,甲状腺の部位に前頸部痛(自発痛・圧痛)をきたす。下顎や耳介後部への放散痛も時に認める。この前頸部の疼痛部位は腫脹し硬く,しばしばその疼痛部位が甲状腺内を移動する(クリーピング現象)。

    典型例では38~39℃の発熱を認め,また甲状腺内の炎症,組織破壊による甲状腺中毒症の症状(倦怠感,動悸,息切れ,発汗過多,手指の振戦など)を認める。

    【検査所見】

    血液検査で急性期にCRPや赤沈高値,FT4高値,TSH低値を認めることが診断に有用である。時にTgAbやTPOAb陽性,TRAb陽性例もあるが,多くが一過性である。甲状腺超音波検査では,甲状腺の疼痛部位に一致して境界不明瞭な低エコー域が観察され,診断に有用である(図)。急性期の放射性ヨウ素(123I)摂取率は5%以下,テクネチウム(99mTc)で甲状腺摂取率低値。甲状腺細胞診では多核巨細胞や類上皮細胞を認め,腫瘍細胞や橋本病に特異的な所見は認めない。

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