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産科医療補償制度による産科診療の改善は?

No.5091 (2021年11月20日発行) P.52

鈴木 真 (国保旭中央病院産科)

関沢明彦 (昭和大学医学部産婦人科学講座教授)

登録日: 2021-11-19

最終更新日: 2021-11-16

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  • 産科医療補償制度設立から10年余りが経ちましたが,産科診療はどのように改善されていますか? 昭和大学・関沢明彦先生にご回答をお願いいたします。

    【質問者】
    鈴木 真 国保旭中央病院産科


    【回答】

     【産科医療補償制度の対象症例の原因分析や産科医療の安全性の向上につながっている】

    児に脳性麻痺が発症した場合,医療側・患者側双方にとっての精神的・肉体的苦痛は筆舌に尽くしがたいものがあります。かつては医療側に過失がなければ患者側が補償を受けることはできないことから,訴訟になることも多くありました。また,脳性麻痺の原因が不明の場合も多いのですが,訴訟では不毛な戦いとなる状況でした。そのような中,2009年から開始された産科医療補償制度は,出生児のほとんどをカバーする国際的に類をみない大規模な脳性麻痺児の補償制度です。

    本制度は再発防止と医療の質の向上により,不毛な紛争・裁判を減らし,医療提供者が安心して医療を提供できる,また受給者も安心して医療が受けられる体制の構築をめざし,すべての対象症例について原因分析が行われ,再発防止策が検討されています。

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