【質問者】
古賀智裕 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科分子標的医学研究センター/先進予防医学共同専攻 リウマチ・膠原病内科学分野
【使用対象は疾患活動性が残存する,あるいは副腎皮質ステロイド投与量を減量したい患者】
SLEでは,発症数年前から徐々に多様な自己抗体が上昇しますが,インターフェロンα(IFN-α)活性も診断の約2年前から上昇します1)。IFN-αは,B細胞による抗体産生の促進,制御性T細胞の機能抑制,樹状細胞の分化・増殖,単球の分化・BlyS〔B cell activating factor belonging to the tumor necrosis factor family(BAFF)〕産生の促進に関与し,SLEの病態形成に寄与すると考えられています2)。このように,Ⅰ型IFN(IFN-αを含む)は,SLEの病態に深く関与しています。
SLE患者においてⅠ型IFNの亢進は,腎炎,関節炎,倦怠感,リンパ節腫脹,抗Sm抗体の上昇,低補体血症,ヘモグロビン減少,白血球減少およびリンパ球減少に関連していました3)。また,皮膚病変および滑膜組織におけるⅠ型IFN誘導遺伝子の発現増加も報告されています4)~9)。このようなⅠ型IFNの関与が疑われる臨床的特徴を有するSLE患者では,Ⅰ型IFNをターゲットとした治療戦略が有用と考えられます。
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