【質問者】
高山 真 東北大学病院総合地域医療教育支援部漢方内科 特命教授
【副作用を認識し,構成生薬のリスクに応じた対応が必要である】
近年,漢方薬が一般的になったことで1人の患者が複数の漢方薬を同時に服用する例があり,有用性と安全性の面から懸念を抱いています。複数の漢方薬を併用する有用性に関するエビデンスはほとんどありませんし,併用によって生薬の重複が起こり,副作用が顕在化する可能性が指摘されています。漢方薬を処方する際には患者が他の医師から漢方薬の処方を受けていないか,あるいは薬局などで購入していないかを確認することは配慮すべき点のひとつです。
漢方薬の安全性を考える際に最も大切な点は,「漢方薬には副作用がある」という事実をしっかりと認識しておくことだと考えます。漢方薬の「安全神話」は根強く,漢方薬は他の薬剤に比較して安易に用いられがちです。漢方薬を処方する際に,その必要性とリスクを考慮し必要最小限にとどめることが重要だと思います。
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