株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

調律の考え方【前編】/Basic cardiac rhythm―Prequel [Dr.ヒロの学び直し!心電図塾(第15回)]

No.5141 (2022年11月05日発行) P.7

Dr.ヒロ|杉山裕章

登録日: 2022-11-04

最終更新日: 2022-11-02

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

刺激伝導系おさらい

今回,次回(No.5143掲載)と2回にわたってお送りするテーマは,ズバリ「調律」です。“cardiac rhythm”という英語表記のほうがしっくりくるでしょうか。心臓の機械的活動(収縮・拡張)を決定づける命令様式がリズムと呼ばれます。

刺激伝導系については,詳細な説明は不要でしょうか(図1)。ボクはいつも心臓は“電気仕掛け”と言っていますが,調律の理解には,このシステムにおける電気の流れを熟知しておくことが必要です。

 

まずは,心臓の“デフォルト”のリズムから話します。そう,「洞調律」(sinus rhythm)です。心臓に備わった正式な“司令塔”は洞結節(sinus node)ですね。右向きの“2階”部屋で後側の天井に“豆電球”がついている感じ。ここから隅々にまで命令が伝わります。

正常な洞結節は,1分間に60~100回のペース*1で点滅し,“指令”は電気刺激の形で“電線(レール)”に沿って伝わります。右房・左房を経て,房室結節を通過し,ヒス束,脚へとつながり,心室中隔を出て,最終的にプルキンエ線維(Purkinje)が心室筋に到達します。洞結節から出る一定間隔の刺激が決められたペースでよどみなく伝達していくのが「正常洞調律」(normal sinus rhythm:NSR)と言えます。


*1 厳密には60≦心拍数<100,整数的には60~99かもですが,わかりやすくこう示しました。








プレミアム会員向けコンテンツです(連載の第1~3回と最新回のみ無料会員も閲覧可)
→ログインした状態で続きを読む

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

公立小浜温泉病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
勤務地: 長崎県雲仙市

公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top