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2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズムのエッセンスは?

No.5165 (2023年04月22日発行) P.53

塚本和久 (帝京大学医学部内科学講座教授)

佐藤博亮 (順天堂大学医学部附属浦安病院 糖尿病・内分泌内科 先任准教授)

登録日: 2023-04-23

最終更新日: 2023-04-18

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  • 2022年8月に日本糖尿病学会が発表した「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」のエッセンスを教えて下さい。
    以前より欧米の糖尿病治療のガイドラインでは,合併症等を考慮した薬物療法のアルゴリズムが示されていましたが,日本においては特に順序はない状態でした。今回,このアルゴリズムが設定された経緯・背景や,その使い方をご教示いだければと思います。順天堂大学・佐藤博亮先生にご解説をお願いします。

    【質問者】塚本和久 帝京大学医学部内科学講座教授


    【回答】

     【実臨床において活用できる日本人の2型糖尿病治療アルゴリズムが初めて示された】

    米国糖尿病学会(ADA)や欧州糖尿病学会(EASD)から海外のエビデンスに基づいた糖尿病治療のアルゴリズムが示されていましたが,これまで,わが国では糖尿病治療のアルゴリズムは示されていませんでした。今回,日本糖尿病学会から「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」が発出されました。

    欧米人と日本人では,2型糖尿病の病態,治療戦略,処方実態において大きく異なっており,ADAやEASDから発表された欧米人のエビデンスに基づいた糖尿病治療のアルゴリズムを日本人に用いるのは適切でないとの理由から,本アルゴリズムが作成されました。

    このような背景を基に本アルゴリズムは,①日本人の2型糖尿病の病態に合った薬剤選択を行えること,②日本における処方実態を反映したものであること,③考慮すべき併存疾患がある場合additional benefitsを期待した薬剤選択を可能とすること,の3項目を基本的なコンセプトとして本アルゴリズムが作成されました。

    本アルゴリズムは,最初にインスリン治療の適応でないことを判断し,年齢や合併症などを考慮して目標HbA1cを設定します。次にStep 1~4を総合的に考慮して,薬剤を選択します。具体的には以下の通りです。

    残り602文字あります

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