【質問者】塚本和久 帝京大学医学部内科学講座教授
【実臨床において活用できる日本人の2型糖尿病治療アルゴリズムが初めて示された】
米国糖尿病学会(ADA)や欧州糖尿病学会(EASD)から海外のエビデンスに基づいた糖尿病治療のアルゴリズムが示されていましたが,これまで,わが国では糖尿病治療のアルゴリズムは示されていませんでした。今回,日本糖尿病学会から「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」が発出されました。
欧米人と日本人では,2型糖尿病の病態,治療戦略,処方実態において大きく異なっており,ADAやEASDから発表された欧米人のエビデンスに基づいた糖尿病治療のアルゴリズムを日本人に用いるのは適切でないとの理由から,本アルゴリズムが作成されました。
このような背景を基に本アルゴリズムは,①日本人の2型糖尿病の病態に合った薬剤選択を行えること,②日本における処方実態を反映したものであること,③考慮すべき併存疾患がある場合additional benefitsを期待した薬剤選択を可能とすること,の3項目を基本的なコンセプトとして本アルゴリズムが作成されました。
本アルゴリズムは,最初にインスリン治療の適応でないことを判断し,年齢や合併症などを考慮して目標HbA1cを設定します。次にStep 1~4を総合的に考慮して,薬剤を選択します。具体的には以下の通りです。
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