持田製薬は12月25日、肺動脈性肺高血圧症治療剤として販売している「トレプロスト吸入液1.74mg」(一般名:トレプロスチニル)について「間質性肺疾患または気腫合併肺線維症に伴う肺高血圧症」に対する効能・効果追加の承認申請を行ったと発表した。
間質性肺疾患または気腫合併肺線維症に伴う肺高血圧症は、病因・病態から肺高血圧症を5つの群に分類した中の第3群「肺疾患および/または低酸素血症に伴う肺高血圧症」に該当する。予後不良のため早期の治療介入が必要だが、日本では同疾患を効能・効果とする薬剤はない。
同剤は、持田製薬が米国のユナイテッド・セラピューティクス社より2017年に導入して国内開発を進め、2023年5月から国内販売を開始したプロスタグランジンI2誘導体製剤。米国では、「TYVASO」の製品名で2009年から肺動脈性肺高血圧症を適応症として販売されており、2021年には「間質性肺疾患(気腫合併肺線維症を含む)に伴う肺高血圧症」の効能・効果が追加されている。
トレプロスチニルは「間質性肺疾患(気腫合併肺線維症を含む)に伴う肺高血圧症」を予定効能・効果として希少疾病用医薬品に指定されている。
肺動脈性肺高血圧症に使用する場合の「トレプロスト」の用法・用量
通常、成人には1日4回ネブライザを用いて吸入投与。1回3吸入から投与開始、忍容性を確認しながら7日以上の間隔で1回3吸入ずつ最大9吸入まで漸増