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体調管理に対する身体的・精神的アプローチをマネージメントしうる漢方薬について

No.5205 (2024年01月27日発行) P.51

鈴木朋子 (埼玉医科大学東洋医学科教授)

田原英一 (福島県立医科大学会津医療センター漢方医学講座教授)

登録日: 2024-01-29

最終更新日: 2024-01-23

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  • Long COVID等でも問題となっているように,体調の管理には身体的アプローチと精神的アプローチが欠かせません。この両者を同時にマネージメントしうる漢方薬についてご教示下さい。福島県立医科大学会津医療センター・田原英一先生にご解説をお願いします。

    【質問者】鈴木朋子 埼玉医科大学東洋医学科教授


    【回答】

    【ストレスによる集中力の低下,決断力低下,判断力低下は四物湯で回復しうる】

    世界の様々な場所で,人と人が傷つけ合うという不幸が生じています。幸い日本ではそこまでの激しい戦闘はないものの,DVに代表される暴力や,態度や言葉による精神的な傷つけ合いが様々な形で存在しています。様々な抗うつ薬,抗不安薬,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などといった西洋薬がありますが,どこまで傷ついた心を救えているのでしょうか。

    これまでは,憂うつだ,元気がないと気虚,気うつであると認識されて,補中益気湯や半夏厚朴湯が選択されることが多かったと思います。近年,筆者らは傷ついた心の症状の一部は血虚の症状として発現していることに気がつきました1)。一定期間ストレスにさらされた後,集中力の低下(特に午前中ボーっとしている),決断力の低下(決められない,決断ができない),判断力の低下(テレビやメールがみられない,会話が途切れる)などがみられたときに,血虚を疑い,四物湯を中心とする処方で改善する症例を経験しました。

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