【質問者】桐野洋平 横浜市立大学医学部血液・免疫・感染症内科学講師
【発作性の炎症性病態と慢性病態,関節内外の病変が混在する】
関節症状はわが国のベーチェット病患者の約半数に認められる,頻度の高い症状です1)2)。罹患部位は,膝,足首,手首,ならびに肘など,主に大関節に多いと報告されています3)4)。発作性・反復性の経過を示すとされていますが4),慢性的な関節周囲の疼痛を訴える症例も存在し,臨床病型は多彩です。いずれの場合も,関節リウマチのような著明な関節変形や骨びらんを認めることは稀です3)4)。
典型的な発作性の関節症状では,しばしば関節の腫脹・圧痛や発赤・熱感を伴うこともあります。採血上,白血球・好中球やCRPの上昇を認め,関節穿刺液でも多核球優位な細胞数の上昇を認めることが多いです4)。しかし,ベーチェット病患者では関節ではなく,皮下組織や滑液包など,関節周囲の軟部組織が腫れることもあります。
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