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顕微鏡的多発血管炎・多発血管炎性肉芽腫症の寛解導入治療について

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  • 併用する薬剤についてはCPAとRTXでほぼ同等の効果とする報告が多いですが,発癌や性腺機能の問題,腎機能低下時の用量調節のしやすさなどの観点から,実臨床ではRTXが選択される機会が増えてきていると思います。

    重症腎炎を伴う症例に対する血漿交換の追加はPEXIVAS試験において予後の改善につながらないと報告されましたが,その後のメタアナリシス(BMJ,2022)では末期腎不全の発生を抑えるとされました。重症腎炎症例の寛解導入時には追加を考慮すべきと思われます。

    ADVOCATE試験(NEJM,2021)では新規補体C5a阻害薬アバコパンによる治療群とステロイド群で寛解導入割合は非劣性でしたが,アバコパン群の大半の症例で一定量のステロイドが併用されていたことに注意が必要です。寛解導入期の完全ステロイドフリーや,さらなるステロイド減量のための使用が考えられますが,アバコパンの使用法あるいは位置づけについては,まだ十分なエビデンスがない状況です。

    【回答者】

    古田俊介 千葉大学医学部附属病院アレルギー・膠原病内科特任准教授

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