全国自治体病院協議会は17日に会見を開き、邉見公雄会長が来年度から始まる予定の新専門医制度について改めて研修開始の延期を要望した。
邉見会長は「研修プログラムを見て驚いた。専門研修基幹施設が大学病院や都市部の大病院に限られ医師の地域偏在を増幅させる」と問題視。「例えば整形外科の研修基幹施設は滋賀県では1カ所しか該当しない」と指摘した。
総合診療医については「サブスペシャルティへの道筋が確立されておらず、国民が求める総合診療医の養成が困難になる」と訴えた。
会見ではこのほか2016年度診療報酬改定に言及。精神科を持つ総合病院への評価充実などを例に、「全体としては正しい方向。政策誘導的ではなく質の高い医療を行っているところを評価している」とした。一方、内科への配慮として「重症度、医療・看護必要度」に盛り込まれたC項目の「救命等に係る内科的治療」が重症患者割合(25%以上)に与える影響については、「多くて2%程度」と分析した。