【Q】
出生前診断の目的には,(1)胎児治療を行うため,(2)出生後の治療に向けて分娩時期・分娩方法・出生後の蘇生の準備を行うため,(3)妊娠を継続するか否かを決定するため,の3つがあります。【A】
胎児治療とは,母体を介して子宮内の疾患を有する胎児に対して行う治療です。対象は,胎児期に病状が進行する致死性の疾患,あるいは致死性ではないが,将来にわたってきわめて重大な障害を残す疾患で,出生後に有効な治療方法がない疾患です。当然のことながら,胎児期に治療するためには,対象とする疾患の自然史が熟知され,実施する胎児治療が有効であることが証明されており,また治療が母体あるいは胎児にとって安全でなければなりません。