全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)の分類基準は,従来は1997年に改訂された米国リウマチ学会の基準が用いられてきた。この基準は臨床と免疫の11項目が同等に評価されているが,腎生検でループス腎炎の所見が認められても,4項目に達しなければ診断に至らない,低補体の項目がない,などの問題があった。
その後,2012年に発表されたThe Systemic Lupus International Collaborating Clinics(SLICC)の改訂分類基準(文献1)では,臨床と免疫の項目にわけられており,「少なくとも各々1項目を含み計4項目を満たすか,抗核抗体もしくは抗dsDNA抗体が陽性で腎生検にてループス腎炎が証明される」場合にSLEと分類される。また,臨床項目には新たに急性と慢性の皮膚所見,脱毛が加えられ,免疫項目には低補体,直接クームス試験陽性が加えられた。
SLICCの各項目として,臨床項目には,(1)急性皮膚ループス,(2)慢性皮膚ループス,(3)口腔潰瘍,(4)非瘢痕性脱毛,(5)滑膜炎,(6)漿膜炎,(7)腎病変,(8)神経症状,(9)溶血性貧血,(10)白血球もしくはリンパ球減少,(11)血小板減少,がある。一方,免疫項目には,(1)抗核抗体,(2)抗dsDNA抗体,(3)抗Sm抗体,(4)抗リン脂質抗体,(5)低補体,(6)直接クームス試験(溶血性貧血なし),がある。
1) Petri M, et al:Arthritis Rheum. 2012;64(8):2677-86.