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新規持効型インスリン製剤の特徴 【インスリン製剤のバイオシミラーの品質,安全性,有効性が確認されており,価格も安い】

No.4788 (2016年01月30日発行) P.57

堀田瑛子 (日本大学糖尿病・代謝内科)

石原寿光 (日本大学糖尿病・代謝内科主任教授)

登録日: 2016-01-30

最終更新日: 2016-10-26

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2003年に持効型インスリン製剤として,現行のインスリングラルギンが日本の臨床現場に登場した。その後,インスリンデテミル,インスリンデグルデクが加わり,選択肢に広がりを見せた。そして2015年より,新たにインスリングラルギンBS,ランタスRXRの2種類の持効型インスリン製剤が登場し,注目を集めている。
インスリングラルギンBSは,日本初となるインスリン製剤のバイオシミラー(バイオ後続品)である。インスリングラルギンと同じアミノ酸配列を有し,同等・同質の品質,安全性および有効性が確認されている(文献1)。また,バイオシミラーであることから価格が安いことも特徴で,患者の経済的負担の軽減につながることが期待されている。
ランタスRXRは,ランタスの有効成分であるインスリングラルギンを3倍の濃度にした製剤である。皮下注射後,速やかに等電点沈殿を起こし,沈殿物がより小さく,溶解速度が低下するため,平坦で,24時間以上安定した血糖降下作用を示すと考えられている。夜間低血糖および24時間低血糖の発現率が低く,体重の変化量が少ないとの報告もある(文献2)。また,3倍の濃度になったことで液量が減り,1本当たり450単位のインスリンが充塡されていることも特徴である。

【文献】


1) Rosenstock J, et al:Diabetes Obes Metab. 2015;17(8):734-41.
2) Becker RH, et al:Diabetes Care. 2015;38(4):637-43.

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