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心臓CTイメージング 【冠動脈だけでなく,弁膜症,不整脈,心筋症,先天性心疾患にも有用な三次元画像検査】

No.4789 (2016年02月06日発行) P.56

森田照正 (順天堂大学心臓血管外科准教授)

天野 篤 (順天堂大学心臓血管外科教授)

登録日: 2016-02-06

最終更新日: 2016-10-26

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CTは既に広く臨床に用いられ,その有用性に疑問を挾む余地はない。診断的意義もさることながら,立体再構築(3D)された画像には臨床応用の可能性が無限にある。特に心臓CTは,その動的特性から3DにとどまらずX,Y,Z軸に時間軸(t)を加え,動く立体像動画である4D-CTも活用されている。
近年,循環器領域の最大のトピックスはTAVI(経カテーテル大動脈弁内挿術)であるが,その適応やサイズ選択にCTイメージングはきわめて有用である。大動脈弁輪の心周期性変化に加え,致死的な合併症に関連する冠動脈開口部位や弁輪部位石灰病変の動的な評価が行える。
同じく動態評価ができる心エコーは,診断という観点では十分な意義を有するが平面断層像であり,奥行きがある広範囲立体断層動画の4D-CTには太刀打ちできない。心内腔,弁輪,乳頭筋,心筋などの心内構造物に加えて,肺,骨を含む心周囲組織の描出も可能で,より全体的・相関的な評価がCTでは可能となる。心臓外科関連では,手術イメージングに有効で,術式決定やリスク予測,さらに術後評価に,と大きな意義を有する。広範な有用性が期待できる心臓CTイメージングではあるが,性能の限界,装置・画像再構築技術の必要性,患者へのリスク増(被ばく放射線量・造影剤量)などの課題もある。
冠動脈CTだけが心臓CTと認識されている向きがあるが,弁膜症,不整脈,心筋症に加え,先天性心疾患においても心臓CTイメージングは有用であることを強調する。

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