(質問者:千葉県 K)
食事中の中性脂肪は,カイロミクロンに含まれて血液中を輸送されますが,血清中性脂肪値としてのピークは食後3〜4時間目とされています。一方,食後は,肝臓での中性脂肪産生も亢進し,その結果,肝臓から超低比重リポ蛋白(very low density lipoprotein:VLDL)も分泌され,これも食後に血清中性脂肪値が増加する原因になると考えられます。したがって,同じ人であっても,どのような食事を摂取したか,また,食後何時間目に採血したかによって血清中性脂肪値は変化するし,人が変われば,その人に脂質代謝異常があるかどうかということも含めて,大きく,その数値は変化すると思われます。
たとえば,ご質問の「ある報告」と同じものかどうかはわかりませんが,日本糖尿病学会委員会より,総エネルギー量450kcal(エネルギー比率;炭水化物:脂質:蛋白質=51.4:33.3:15.3)のテストミールを,空腹時中性脂肪値150mg/dL未満(平均123mg/dL)の19人に食べさせたところ,血清中性脂肪値は,平均で1時間後に27mg/dL,2時間後に31mg/dL増加したと報告されました1)。
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