文部科学省の「モデル・コア・カリキュラム改訂に関する連絡調整委員会」は3月24日、大学医学部がカリキュラムの中で共通して取り組むべき内容や到達目標を定めた「医学教育モデル・コア・カリキュラム」(コアカリ)の改訂案を了承した。各大学は、2018年度以降のカリキュラムのうち学修時間数の3分の2程度を、コアカリを参考にして策定する。
コアカリの改訂は6年ぶり。「多様なニーズに対応できる医師の養成」をキャッチフレーズに掲げており、改訂内容を検討した同省専門委員会の齋藤宣彦委員長(医療系大学間共用試験実施評価機構)は「昨今の社会的情勢を踏まえ、新たな学修項目として、臨床研究と倫理、統計学、フレイル、ポリファーマシー、薬剤耐性、放射線の影響などにも言及している」と説明した。
大幅に拡充された項目の1つが「地域医療」。医師の偏在の状況や地域包括ケアシステムの概念、かかりつけ医の役割などを理解・説明できることを学修目標に設定しているほか、限られた医療資源の有効活用の視点を踏まえ、関連法規の理解や医療の費用対効果についても学ぶよう求めている。
臨床実習は見学主体ではなく「診療参加型」を基本形態とし、学生を評価する際の「学生を信頼し任せられる役割」(entrustable professional activities)という概念を導入。評価対象とする医学生の行為として、簡単な検査のインフォームド・コンセントを得ることや、緊急性の高い患者の初期対応にチームの一員として関わることなどを挙げている。