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特集:若年性がん患者における妊孕性対策

No.4748 (2015年04月25日発行) P.17

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-20

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監修:鈴木 直(聖マリアンナ医科大学産婦人科学教授)

Oncofertility(がん・生殖医療)とは,腫瘍学(oncology)と生殖医学(fertility)を合わせた造語で,2006年に米国のWoodruff博士らが初めて提唱した概念である。時を同じくして2006年に,米国臨床腫瘍学会(ASCO)は米国生殖医学会(ASRM)との共同で,若年がん患者の妊孕性温存に関する指針を発表した。2013年に改訂されたASCOガイドラインでは,がん治療に関わるヘルスケアプロバイダー(腫瘍専門医,生殖医療専門医,看護師,ソーシャルワーカー,心理士などの医療従事者)は,がん治療による妊孕性低下のリスクに関して可能な限り治療開始前早期に検討すべきであり,妊孕性温存希望のある患者だけでなく,迷っている患者に対しても速やかに生殖医療専門医に紹介することを推奨している。
がん患者は原疾患に対する治療を何よりも優先すべきであるが,寛解後に妊娠を望むことができる若年がん患者がいる一方で,治療内容や年齢によっては治療後に卵巣機能不全状態に陥り妊孕性が消失する女性がん患者もいる。本特集では,日本における本領域の第一人者である3名の若手研究者に,若年性がん患者における妊孕性対策に関する最新情報を概説して頂いた。

1 がん治療と性腺毒性
長崎大学病院産科婦人科講師 北島道夫
長崎大学病院病院長/同大学大学院医歯薬学総合研究科産科婦人科学分野教授 増﨑英明

2 男性がん患者に対する妊孕性温存の現状
滋賀医科大学医学部産科学婦人科学講座女性診療科講師 木村文則

3 女性がん患者に対する妊孕性温存の現状
埼玉医科大学総合医療センター産婦人科教授 高井 泰

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