世界の臨床医、研究者らが作成した「コクラン系統的レビュー」(用語解説)を発信する国際非営利団体「コクラン共同計画」が6月22日に会見を開き、日本支部(コクランジャパン)が英国本部直轄の「センター」に昇格したと発表した。
コクラン日本支部は国立成育医療研究センター内で組織。レビューの新規著者を増やしたり、日本におけるデータベース(ライブラリ)の利用促進などを行ってきた。
コクランジャパンの森臨太郎理事長は、レビューの日本人著者が日本支部の開設以降、大幅に増加し、昨年10月には300人を超えたことを紹介。支部のセンター化によって、「巨大な医療活動の場である日本で根拠に基づく医療(EBM)の推進を一層自律的に行えるようになる」とし、「社会保障制度の持続可能性が議論されている中で、本当に有効な医療行為や政策がどんなものなのか、客観的に示すことは大変意義深い」と強調した。
さらに、コクランが医薬品・医療機器メーカーから資金提供を一切受けず、医療者らのボランティアと公的資金で運営している点に触れ、「利益相反と不正を排した臨床研究・臨床試験を推進できる」と述べた。