63歳の男性。40歳頃より高血圧症を指摘され,塩分6g制限に加え,ニフェジピン徐放錠40mg,バルサルタン80mg,アテノロール12.5mgによる内服にて,血圧130/80mmHg前後と安定している。
58歳時,検診にて血糖値軽度上昇を指摘されていたが,放置していた。2010年5月の外来受診時の採血で,随時血糖が232mg/dLと高値であったが,HbA1cは5.4%であった。糖尿病の有無について紹介受診となる。来院時の血液検査所見を表1に示す。
一般に,血糖高値(空腹時126mg/dL以上,随時200mg/dL以上)とHbA1c(NGSP)6.5%以上の両方が認められれば糖尿病としているが,本例は血糖高値しか認めていない。この時,たまたま食べ過ぎて高血糖になっただけで,糖尿病ではないのであろうか……。
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