医学部卒業後2年間の初期臨床研修(卒後臨床研修)制度は、2020年度に大改正を迎える。必修科目には、外科、小児科、産婦人科、精神科の4科が“復帰”し、必修7科目体制となる方向性だ。マッチングでは、地域枠学生を優先的に採用できる仕組みが創設される見込みとなっている。
現行の卒後臨床研修の必修科目は、内科(6カ月)と救急科(3カ月)、地域医療(1カ月)の計3科目。外科、麻酔科、小児科、産婦人科、精神科は「選択必修」で、2科目を必ず選ぶことになっている。
厚生労働省のワーキンググループが医道審議会の医師臨床研修部会(桐野髙明部会長)に示した案によると、2020年度以降の卒後臨床研修では、1年目に内科(24週)、救急科(12週)、外科、小児科、産婦人科、精神科、地域医療(各4週)の必修7科目の研修を行い、2年目に選択科目の研修を48週行う。臨床医としての診療能力を担保する観点から、外科、小児科、産婦人科、精神科、地域医療は「8週以上が望ましい」とした。救急科のうち、4週まで麻酔科に充てることを可能とする。
必修科目が現行の形となったのは「研修プログラムの弾力化を図る」として10年度に制度が見直されたという経緯がある。部会の委員からは「“先祖返り”の意義を明確に示す必要がある」との指摘のほか、必修科目の研修期間については「『最低2科目は8週以上』などのしばりを設けるべき」との意見も出た。
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