株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

医療現場でのVR・AR・MRの新展開(杉本真樹 国際医療福祉大学大学院准教授)【この人に聞きたい】

No.4886 (2017年12月16日発行) P.10

杉本真樹 (国際医療福祉大学大学院准教授)

登録日: 2017-12-15

最終更新日: 2017-12-14

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

技術革新と医療現場の効率化で患者に貢献したい
医療と健康の壁を取り払う「医“領”解放」を目指す

すぎもと まき:1996年帝京大卒。国立病院機構東京医療センター外科、米・カリフォルニア州退役軍人局パロアルト病院客員フェロー、神戸大院消化器内科特務准教授を経て、2016年国際医療福祉大学大学院准教授。Mediaccel代表取締役CEO、HoloEyes取締役COO

エンターテインメントやゲームの分野で開発が進んだVR(仮想現実)は近年、さらに進歩を遂げ、世界的に注目されている。これを手術の安全性を高めるガイドや若手教育として活用する医師がいる。
国際医療福祉大学大学院の杉本真樹准教授に話を聞いた。

手術のガイドとして活用

─医療現場でどのようにVRを使用していますか。

主に肝臓や腎臓、膵臓などの実質臓器や骨の手術で使います。オペ室で患者さんのCT画像を受け取り、それを基に臓器や血管、がんなど、手術に必要な情報をピックアップした3Dデータを作成します。外科医にとって必要な解剖をCT画像よりも見やすくしています。

この3DデータをVRやAR(拡張現実)やMR(複合現実)として空中に3D提示します。

例えば肝臓がんでは、血管の配置や術後の肝機能の維持を考えながら、どう切除するかを決めるのが難しい。がんが表面から見えないケースもあります。作成した3Dデータを映すVRゴーグルを被れば、患者さんの血管やがんの位置が透けて空中で立体的に見える。ゴーグルを着けた複数人で3Dデータの共有も可能です。

さらに手術部位に重ねて立体的に投影し、切除線を表示すれば、それをガイドに手術を進めることができます。

カーナビのように現在地と周囲の関連がとれ、さらに道の上に矢印があるといいですね。ナビと同時にガイドを表示できるようになったことは画期的です。

プレミアム会員向けコンテンツです(期間限定で無料会員も閲覧可)
→ログインした状態で続きを読む

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top