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温かい母子関係のための新生児科医と産科医の協調と母子への影響【適切な分娩管理体制を構築するために力を合わせることが最大のサポートとなる】

No.4893 (2018年02月03日発行) P.53

井上裕美 (医療法人沖縄徳州会湘南鎌倉総合病院産科部長)

渡辺とよ子 (わたなべ医院院長/元都立墨東病院副院長)

登録日: 2018-02-04

最終更新日: 2018-01-30

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  • 新生児科と産科とは同じ方向性と同じ目的を持ちながら,臨床の現場ではその分娩時期や分娩方法に関して,議論以上に険悪な状況になることがあります。そして,それに産婦と家族も巻き込まれることがあるのです。もちろんそこには産科学の予知能力がまだまだ至らないこともありますが,それらを考慮しても,母子にとって母子の安全と同時に大事なものは新生児科医と産科医,両者からの心のこもったサポートだと思います。
    どのようにしたら母子関係のための新生児科医と産科医の最高の協調ができるのか,またその協調が母子2人のその後に与える影響について,長年この領域に携わっておられたわたなべ医院・渡辺とよ子先生にお聞きしたいと思います。

    【質問者】

    井上裕美 医療法人沖縄徳州会湘南鎌倉総合病院産科部長


    【回答】

    小児科医であり乳幼児精神保健の先駆者の1人である英国のWinnicottは「ひとりの赤ん坊というものは存在せず,母と対をなす赤ん坊しかない(There is no such thing as a baby. A baby is always a part of someone, the mother)」と述べており,親子を関係性の視点でとらえることの大切さを提唱しています。

    親子の心身は互いの関係性の中で育まれていくものです。通常,親が我が子に対して「親としての実感が持てること」や,「子どもを理解できる」という自信に支えられて初めて育児は可能となります。母親は出産直後から子どもに没頭する〔母親の原初的没頭(primary maternal preoccupation;Winnicottによる)〕時期があり,子どもの生理的な要求に敏感に反応し子どもを守り育てる行動がみられ,母親として育っていくのです。

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