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Lynch症候群とそのスクリーニング 【Lynch症候群の頻度は2.4~3.7%で,ユニバーサル・スクリーニングが推奨されている】

No.4901 (2018年03月31日発行) P.51

河野眞吾 (順天堂大学下部消化管外科)

坂本一博 (順天堂大学下部消化管外科教授)

登録日: 2018-03-30

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Lynch症候群は主にミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞系列変異を原因とする常染色体優性遺伝性疾患であり,大腸癌全体の約2~4%を占めると推定されている。患者・家系内に大腸癌,子宮内膜癌をはじめ,卵巣癌,胃癌,小腸癌,胆道癌,膵癌,腎盂・尿管癌,脳腫瘍,皮膚腫瘍など,多彩な悪性腫瘍が発生するとされている。現状そのスクリーニング法としては,アムステルダム基準Ⅱもしくは改訂ベセスダガイドラインを用いて1次スクリーニングを行い,腫瘍組織のマイクロサテライト不安定性(MSI)検査で2次スクリーニングを行うことが一般的に『遺伝性大腸癌診療ガイドライン2016年版』1)で推奨されている。

しかしながら,近年の核家族化や家族歴の聴取の煩雑さなどから見落とされるケースが多いのが現状である。そこで,欧米を中心にすべて(あるいは70歳以下など)の大腸癌や子宮内膜癌に対し,MSI検査などのスクリーニング検査を行うことが提唱されている(ユニバーサル・スクリーニング)。ユニバーサル・スクリーニングから得られたLynch症候群の頻度は2.4~3.7%と報告され,Lynch症候群の診断に関して,感度と費用対効果の高い方法として推奨されるようになった2)。わが国においてもユニバーサル・スクリーニングが広まることにより,今後,Lynch症候群に対する知見が深まることが期待される。

【文献】

1) 大腸癌研究会, 編:遺伝性大腸癌診療ガイドライン2016年版. 金原出版, 2016.

2) Canard G, et al:Ann Surg Oncol. 2012;19(3): 809-16.

【解説】

河野眞吾*1,坂本一博*2  *1順天堂大学下部消化管外科 *2同教授

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