【質問者】
石原 立 大阪国際がんセンター消化管内科主任部長
EoEは食物つまり感や嚥下困難などの食道症状があり,内視鏡下生検にて食道上皮内好酸球が高視野で15個以上浸潤している慢性アレルギー疾患です。
わが国では稀な疾患とされてきましたが,近年,その報告数が増加してきています。臨床的には中年,男性に多く,約半数にアレルギー疾患を認めます。診断の契機となる症状として,食物つまり感や嚥下困難が最も多いですが,胸痛,胸焼け,胃痛などの症状を呈する場合もありますので,標準治療に反応しない症例では鑑別すべき疾患のひとつとして常に挙げるべきです。
上部消化管内視鏡検査では,縦走溝やリング,白斑,狭窄など特徴的な所見がみられますが,感度,陽性的中率は低いので,生検が必須です。一方,わが国では人間ドックなどで偶然上記のような内視鏡所見があり,生検で有意な好酸球浸潤を認める症例に遭遇します。定義上は食道症状がなければEoEには当てはまりませんが,無症候性EoEの自然史がどうなるかなど,わが国独自の研究が期待されています。
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