診療科: | 内科 | 腎臓内科 |
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シリーズ: | よくわかる病態生理 シリーズ |
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第1章 腎不全
ネフロン各部の構造と機能
急性腎不全
慢性腎不全
第2章 原発性糸球体疾患
糸球体における濾過の機序
蛋白尿
急性糸球体腎炎症候群
慢性糸球体腎炎症候群
ネフローゼ症候群
急速進行性腎炎症候群
第3章 腎血管障害
糸球体濾過量の調節機構
腎血管性高血圧
第4章 尿細管機能異常
尿細管における体液pHの調節
尿細管性アシドーシス
Fanconi症候群
腎性糖尿
第5章 間質性腎疾患
急性腎盂腎炎
慢性腎盂腎炎
急性尿細管間質性腎炎
慢性尿細管間質性腎炎
第6章 全身性疾患による腎障害
糖尿病腎症
ループス腎炎
アミロイド腎
膠原病類縁疾患の腎病変
紫斑病性腎炎
第7章 水電解質異常
体液の量・組成・浸透圧
尿細管各部における再吸収・分泌機構と尿の濃縮機序
腎性浮腫
脱水症
低Na血症
高Na血症
高・低K血症
高・低Ca血症
高・低P血症
第8章 先天異常,尿路疾患
多発性嚢胞腎
膀胱尿管逆流症
腎細胞癌
膀胱癌
尿路結石
膀胱炎
前立腺炎
尿道炎
尿量・排尿の異常
神経因性膀胱
編集にあたって
医学教育の変貌はめざましく、6年一貫教育としてとらえられるようになりました。この変革によって、従来の一般教養の授業内容や基礎医学課目の見直しが行われ、基礎と臨床の連携が重要視されています。
特に、臨床医学を見据えた、低学年の学生に対するearly exposureは、医学への興味を増すうえで好ましい一面を見せています。反面、疾患の病態生理を学ばずして、「臨床へ」「臨床へ」と先走りしすぎるのは、決して良いこととは思われません。基礎力の備わった、人間味あふれる臨床医として育って欲しいと思います。
腎臓内科学の分野では、優れた教科書や解説書がすでに数多く出版されています。にもかかわらず、あえて本書を編集させていただいた意図は、広く、かつ深く記載されがちな内容から、必要最小限のもの(minimum requirement)を選択し、腎疾患の病態生理やスタンダードな学説を簡明にまとめることで、学生諸君に腎臓内科学の基礎となる枠組みを修得していただき、より早く臨床に親しんでもらいたいと願うからです。
執筆は、現在腎臓内科の臨床と研究、教育に熱心に携わっておられる方々にお願いしました。この場を借りて厚くお礼申し上げます。
末筆ながら、監修の松尾理先生ならびに日本医事新報社編集部の方々にお礼申し上げます。
2006年夏 神田川のほとりにて
富野康日己