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【他科への手紙】消化器外科→産科

No.4914 (2018年06月30日発行) P.53

野村幸世 (東京大学大学院医学系研究科消化管外科准教授)

登録日: 2018-06-27

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  • 産科の先生方には婦人科の先生方とともにいつもお世話になっております。先日もKruckenberg腫瘍を切除していただきました。また、化学療法前の卵子保存にもご協力いただきまして、ありがとうございます。凍結卵子を将来的に使用できない可能性が高くても、化学療法を受ける患者さんにとっては励みになっていると思われます。

    さて、本日は、胃切除後の患者さんが妊娠、出産されるときの栄養管理に関しまして、お願いしたくご連絡いたしました。昨今、胃癌も早期発見されることが多くなり、患者さんの長期予後が期待できるようになりました。それに伴いまして、胃切除後の妊娠、出産、育児を行う患者さんも少数ながら、出て参りました。今後、家族性腫瘍に対し、予防的胃全摘なども考慮されるようになりますと、このような方はますます増加する可能性があります。

    私が経験しました患者さんで、35歳で早期胃癌のために胃全摘を施行し、その1年半後に妊娠し、無事にご出産なされた方がいらっしゃいます。この患者さんの栄養管理で気がついたことがあります。胃全摘後でしたので、妊娠中には鉄剤とビタミンB12の補充を行い、貧血も特に進行することなく、また、体重増加、子宮底長の増加も順調で、妊娠経過には問題なく、妊娠40週にて3000g以上ある女のお子さんを無事にご出産されました。

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