医道審議会医師分科会の医師専門研修部会(遠藤久夫部会長)は11日、日本専門医機構認定の専門医の広告ができるよう「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」で議論を開始することについて概ね了承した。
専門医の広告を巡っては2002年、厚労省が専門医に関する広告規制を緩和。外形基準(法人格を有する、会員数1000人以上、5年以上の研修の受講、更新制など)を満たす団体が認定した専門医を広告可能とした。これを契機に学会専門医が乱立。専門医の質の担保が課題となっていた。日本専門医機構はこうした課題の解決に向け、第三者機関として専門医を認定する役割を担っている。
同日の部会で厚労省は、2018年度の専攻医が研修を修了する20年度末までに、日本専門医機構認定の19基本領域の専門医について広告できる仕組みを整える必要があるとして、検討会での議論の開始を提案した。
提案を受け、立谷秀清委員(全国市長会会長)は「時期尚早だ」と反対。カリキュラム制の整備が不十分だとした上で、「機構にはまだ、専門医の看板を掛けられるほどの信頼がない」と批判した。
これに対し、参考人として出席した機構副理事長の今村聡氏は、「機構の脆弱性についての指摘はその通りだ」としつつ、「広告可能な専門医をつくるということが機構への強いプレッシャーにもなる。今回の提案は検討し始めるということで、今すぐに機構の専門医が広告可能になるという意味ではない」として、検討会で議論を始める必要性に理解を求めた。
厚労省は、カリキュラム制の整備や専門医更新の要件などについて同部会で考えを固めた上で、検討会で議論をスタートする方針。