【質問者】
小原 直 筑波大学附属病院血液内科准教授
【妊娠合併ITPにおける出産時の目標血小板数】
妊娠に伴う血小板減少の出現は,全妊婦の約10%程度に認められますが,その原因は様々です。そのうちの約70%は妊娠性血小板減少症です。妊娠性血小板減少症の病態は不明ですが,ITPとは異なり血小板数低下は軽度で,通常7万/μL以上あります。出産後1~2カ月で自然寛解し,胎児・新生児血小板減少は起こさないため無治療で経過観察できます。その次に多い原因は妊娠高血圧腎症で約20%を占め,ITPによる血小板減少の頻度は妊娠に伴う血小板減少症のうちの数%です。
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